推しという合法的なシャブ
不労所得が欲しい。
できれば5000兆円程貰えたら言うことがない、最高だ。
自室で大の字に寝そべりながらスマホをポチポチしてれば5000兆円手に入るのかと言われればそんな可能性は1mmたりともない。
むしろ何も行動していない分、5000兆円は遠ざかっている。
宝くじも買ってないのでいきなり2億円が当たることもない。6億も同様だ。
婚活もしてないので石油王との出会いの場もなくオイルマネーとの遭遇もない。
そもそも婚活して日本で石油王と出会うことは最早天文学的な数字だし、アラビア語も話せない。
そしてこちらは辺境の地に住むオタク。
私が石油王なら願い下げだ。ミスユニバースになって出直してこい。
とりあえず不労所得は置いといて、今の所得はどうなのかと言われたらとても厳しい。厳しい以外に言葉が出ないぐらいに厳しい。
先の見えない年金が一番払っていて遣る瀬無くなる。多分私たちの代が貰う頃には崩壊している。
税金にお金を取られていくが、だからといって収入が増えるわけでもない。
そんな雀の涙の自由のお金をやりくりして毎日を生きながらえている私の1番の投資先は貯金でも株でもなく推しだ。鈍色の毎日を変えることが出来る合法的なシャブが『推し』なのである。
推しはすごい。基本的に四季折々全ての時候の挨拶に入っていてもなんら問題ない。むしろ、推しの服装自体が時候の挨拶だ。
どんなに辛いことがあっても推しのことを考えれば大抵のことは突破できるし、それで突破できなかったら余程のことなので周りに相談したほうがいい。判断材料としてもパーフェクトだ。
何より推しは疲れた心を癒してくれる。
推しというシャブをキメたことのない人に具体的にどれぐらい癒されるかというと自分の口座の桁が5つ増えるぐらい癒される。
とんでもない癒し効果なことがお分かりいただけただろうか。体感5歳は若返ると思ってもらっていい。
恋愛面で言うと推しと同年齢まで若返る。推しが数百〜千歳の方や地球創造と共に推しが爆誕した方は何度も輪廻転成して推しに巡り合う永遠の若さを持ってるので心配ない。
推してる間に推しの年齢を追い越した場合はカウントはそこでストップするのでなんら問題ない……問題ない。
家事は推しと同棲していると考えれば捗るし、仕事も家で推しが待ってると思うと3割増しで働く。
働いた金で推しに貢ぐ。素晴らしい経済効果まで生み出してくれる推しは偉大。
職場3000円の飲み代は躊躇するけど、ガチャは勢いよく回す。
当たり前だ。ガチャはキャラが出るが職場の飲み会でキャラが出ることは一切ない。ゲームが有利になることもない。
むしろプライベートの時間を取られている分、私と推しの時間はゴリゴリ削られる。その上3000円取られる。大赤字だ。
それを思えば、同じ金額で推しに出会える可能性のある3000円の方がよっぽど有意義だ。その結果がどんなにドブガチャであろうと。
365日どこ探しても私の推しが2次元にしか存在しない。
なので、推しの出番が増えるように作者様とグッズや運営に感謝しながら貢ぐしかないのだ。
5000兆円欲しい。